僕らが「賢く」ならなければ、状況は変わらない/報道のあり方を変えるには
「最近、テレビの質が下がったよね」
「マスコミはロクな記事を書かない」
ネットやSNSが発達して以来、こういう言葉をよく聞く。
この原因は、突き詰めていくと私たち大衆側にあるのではないだろうか。
質が低くても見てくれる
テレビは出るものであって、見るものではない(池上彰)
おそらく一般の人よりかは聡明であろうはてな民からすれば、マスコミの報道を真に受けるのは愚かなことだと思っている方が多いだろう。
しかしちょっと考えてみてほしい。今テレビをよく見るのはどんな人なのか?
ビジネスマン、専業主婦、高齢者 おそらくこのあたりだろう。
ビジネスマンは、日々仕事で忙しいので、報道の意図や裏を考える時間がない。
専業主婦は、ご近所の話のタネになればいいので、意図についてはどうでもいい。
高齢者は、脳の老化による判断力の低下で、物事の裏側を客観的に考えられない。
今テレビを見ている人は、報道に含まれる意図や背景を考えられない、あるいは考える必要がない立場にあるのだと思う。
テレビを見ている層は、私たち若者よりも中高年の人が多くを占める。
その中高年の人たちは、今の報道のやり方を受け入れてしまっている。だから質の低い報道でもまかり通ってしまう。
テレビを見ている人たちが意識改革をして、今のマスコミのあり方にNOと言わない限り、現状は変わらないだろう。
それでも僕らが声を上げるしかない
今のテレビの報道のしかたを「今すぐ」変えることは、さっきも述べた通り困難なことだろう。
しかし、「今すぐ」変えることはできなくても、これから変えていくことができる。
私たちがNOと言い続ければいい。
10代~30代の若い世代が、今のマスコミのやり口に疑問を持ち続けていれば、将来的にマスコミも報道のやり方を変えざるを得なくなる。私たちが人口の中心を占める中高年となった時にも、マスコミのやり口を監視する立場を貫いていれば、安易な報道はできなくなる。
報道されたことを鵜吞みにせず、まずは疑う、裏を取る、背景を探る……
こういった考え方を身につけるためには、若い今からだ。
年を取ってからでは遅い可能性が高い。今のテレビを見てる人たちを見れば察しがつく。
今身につけておけば、「賢く」なっておけば、マスコミに振り回されずにすむ。彼らの思うツボにならなくてすむのだ。
マスコミの報道に振り回されるのは、非常に不自由だ。報道されたことから取捨選択し、自分なりの解釈を探し出す能動的な姿勢を取り続けることで、マスコミの質も上がるのではないだろうか。
なぜ人類は賢くなる必要があるのだろう。なぜ、バカのままではいけないのだろう。それは自由が、自主・自律とセットだからだ。そして「民主主義」が啓蒙とセットだからだ。私たち一般大衆が賢くならなければ、自由も民主主義も成立しない。(中略)支配されずに生きるためには、賢くならなければならない。そして民主主義は、大衆がバカなら簡単に衆愚に陥る。だから人類は賢くなり続けなければいけない
『Rootport 著/失敗すれば即終了!日本の若者がとるべき生存戦略』 p228
ただ情報を受け取る「受動」から、自ら意味を考える「能動」へ、切り替えていこう。