ハナサケハートフルハーモニー!

この文の後ろに花畑がある、ということにしておいてください。

「努力」というものをどう考えるか。努力できない時はどうするか。

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goldhead.hatenablog.com

 

p-shirokuma.hatenadiary.com

 

上記3記事、読ませていただきました。

努力することへの違和感はシロクマさんが詳細に述べてくれているので、僕から何かを付け加えることはない。

若輩者ながら、僕なりの努力のイメージと、努力に対する考え方を語らせていただきたい。

 

「努力」という言葉は、声に出したりこうやって書き出すと仰々しい言葉だ。「努めて力を出す」ということは、自分の普段の力以上のものを出すこと。端的に言えば限界を超えようとすることだ。限界を超えてあるしきい値を超えると、新しい単語を覚えたり、前より速く走れたりする。こうすることで、今までできなかったことをできるようにする。努力を細かく分解するとこういうことだろう。

 

で、僕が思うのは、努力は普通出来ないのものなんじゃないか、ということだ。いや正しくは、ある分野の努力に向いている人と向いていない人がいる、というだけではないだろうか。

学校の勉強を思い出してほしい。みんなが同じ授業を受けて、同じ量の宿題を出される。これだけでもクラスで勉強できる人とできない人が必ず現れ、さらに勉強ができる人でもオールマイティに80点以上取れる人がいれば、国語はちょっと落ちるけど算数や理科では毎回100点近くを取る人も出る。塾に通うにしても、同じ塾に通っているのに学力の伸びは個人によって違う。明らかにひとりひとりで吸収率が違う。その理由は、課目によって努力できる量、しきい値を超えられる回数が違ってくるからなんじゃないか。それが俗にいう「好き」「嫌い」、「得意」「不得意」なんじゃないか。

 

社会に出て落伍する人が出るのは、社会が求めている努力の領域がほとんど固定されているからだ*1。増田さんは社会が求めている努力をできる能力があったが、goldheadさんにはそれがなかった。たったそれだけの違いが、両者の社会的地位を決定的に分けた。

 

みんながみんな、増田さんのように努力できるわけではない。しかし社会で求められている努力ができない人には、とても厳しい世の中になっている。だけで、与えられた手札は今更交換しようがない。手持ちのカードで、つまりたくさん努力できる領域で勝負し、何とか現代社会をサバイブしないといけない。

肝心なのは、自分は何になら努力できるかを知ることなのだが、これの探し方は、自分が今現在も続けていること、例えば趣味や習慣、よくやることにヒントがあると思う。あなたが凝り返し行ってきていることは、確実にあなたに向いていることだから。

ちなみに僕の例で言うと、趣味は読書と筋トレ。最近だとブログもそれに入るだろうか。疎遠になってしまった趣味はTRPG、テレビゲームとゲームセンターでの音ゲー。続けている習慣は、近所を散歩することと、野菜や魚を意識して食べ、脂肪が多いものを控えること、日記を書くこと、読んだ本の内容をノートにまとめること。最近習慣にしようと思っていることは瞑想だ。

ここから共通点を絞り出す。ほとんどがひとりでできることなので、ひとりでいることは苦ではなさそうだ。あとはインドアで済ませられるものが多いことから、あまり活動的ではなさそうだ。でも読書やブログ、日記など書くことや頭を働かせることが好きなようだ……というように、自分がやっていること、やってきたことを整理し、共通点を考えると、どういう部分なら努力のしきい値を多く超えられそうか見えてくると思う。

しきい値を多く超えるには、他のことと比較してそれほど苦でないことで努力することが必要。反対に、これに努力するのは苦痛というもので、いくら自分に鞭打って頑張っても伸び代はたかがしれている。goldheadさんだって、社会ではうまくやっていけてなくても、ブログではユニークな文章を披露し続けていて、そこから精神的充足を手に入れているだろうし、生活面でもかろうじて努力できる方法を見つけて生き延びているわけだ。要は、あなたに適した領域で努力しなさい、ということだ。

 

努力できない領域でふんばりつづけようとすると、いつか必ず体か心、もしくは両方が壊れる。「まともな社会人生活」にしがみついてみたものの、もうこれ以上自分の不甲斐ない姿を見るのに耐えられなくなったら、思い切って手を放す勇気も必要になる。地面に落ちる時は痛い。全身に痛みが走って、立ち上がれないと感じる。それでもしばらくして地面から立ち上がれば、また違った選択肢が見えてくるものだよ。

*1:思い当たるものを挙げると、コミュニケーション、上司の言うことを聞く、毎日朝早くに出社する、ホウ・レン・ソウができる、分からないことは何でも自力で調べる、仕事に好き嫌いを持ち込まない、理不尽な目に遭ってもあきらめない、会社の命令にはイエスと言う、空気を読む、といったところか