ハナサケハートフルハーモニー!

この文の後ろに花畑がある、ということにしておいてください。

アニメーションサークルに順応しようとした結果、友だちを全て失いました。

 以下の記事で取り上げた、SNS上でのしくじりの詳細です。4000字の長文です。

rustyautomata.hatenadiary.jp

 

社会人になって初めて失ったものは、友だちだった。

 

大学時代、僕はアニメーションを描くサークルに入会していた。作品も描くことは描くが、同好会のような緩いサークルで、普段は好きなアニメやマンガ、ゲームの話をして過ごす所である。活動時間中にゲームしたり、ガチャ回したり、遊戯王をしたりと、実質遊びサークルみたいなものだった。

これだけ聞くと和気あいあいとした過ごしやすいサークルに見えるが、このサークルには致命的な欠点が1つある。それは、他人が好きな作品、キャラをこき下ろす文化ができあがっていること。なので「自分はこの作品が好きなんですよ」と言うと、大体肯定される前に「俺は好きじゃないから」だの「〇〇好きって障害じゃない?」だのきっつい返しが待ってるし、今後も自分の好きなコンテンツを悪い意味でいじられ続ける。

なのでこのサークルの入会希望者は、早期にこういったヤバい空気を察して半数以上がフェードアウトしていく。残るのはどこか鈍感さを持っている人か、叩かれる耐性を持っている人か、ここしか拠り所がないと思っている人だ。僕は3つ目の要素で残った人だと自覚している。そして郷に入っては郷に従えの精神をフルに発揮し、先輩たちが話しているアニメやゲームがよく分からなくても、適当に毒づくようにした。

そもそも大学に入った当初は、アニメに全く興味がなかった。小中高とゲームをプレイし続けていたのだが、それが理由でアニメーションサークルを選んだわけではない。ただ漠然と、僕と同じ内気で地味な友だちが多そうなサークルに入りたいなあとだけ考えた結果、消去法で残ったのがこのサークルだったのだ。

体育会系や運動系で苦労したくない。苦労したくないから積極的に活動するようなサークルも論外。文科系サークルも興味のないものには入りたくなかったので、多少なりとも興味があるものでしぼって残ったのが、アニメーションサークルとマンガサークルだった。マンガサークルは、結構頑張ってマンガを描くみたいな話を聞いたので、苦労したくないという理由から、アニメーションサークルを選んだわけだ。

アニメーションサークルに入ったはいいものの、先輩や同期たちのオタク会話は僕の想像以上にディープなものだった。それに僕はついていけず、「ここには僕の居場所なんかない。誰も僕を見てくれないんだ」と腐り始め、出席の頻度がどんどん減っていった。でも幸いにも友達が3人ほどできたので、完全にフェードアウトするまでには至らなかった。

 

そんな状況にも、転機が訪れる。

 

大学3年の春、サークルの合宿が開催された。活動内容としては、文化祭に向けてアニメ作品を完成させるというもので、このサークルで唯一まともに活動している感が得られるイベントだった。

もちろんアニメづくり以外にも、PS3を持ちこんで4人でゲームしたり、誰かの抱き枕が奪取されてそれを取り返そうと追いかけっこが始まったり、ブルーレイを持ちこんでアニメ鑑賞会をしたり、次の声優コンサートに向けての振り付けを披露したりと、普段の活動の延長線上のようなことも行われていた。ぶっちゃけ、アニメを作る時間よりも、遊んでいる時間の方が長かった。

その遊びの中で、TRPGテーブルトークRPG。説明すると長くなるので詳しくはググっていただきたい)が行われていた。僕は人数合わせで呼ばれることになった。で、これをきっかけにしてTRPGに目覚めることになった。TRPGを通してサークル内の友好関係を大幅に広げ、関連書籍を大量に買い漁り、自分でゲームマスターTRPGの進行役。これもググってください)を担うようになる。

 

この時期と同じくらいにTwitterとLINEでサークルの人たちとやり取りするようになる。Twitterでは、サークルの文化を丸々移植し、何でもとりあえず煽る、文句をつけるようなつぶやきをして、俺批判できる賢いやつなんだぜアピールをしていた。この歪んだ思想が拡大して、国や社会への批判や不満も垂れ流すようになり、夢中になっていたTRPGでも「あれがダメ」「ここがダメ」と文句をつける内容でつぶやくことが多かった。直接聞いたことはないが、きっとTwitter上の僕を毛嫌いするサークルの人は多かったと思う。

一方Lineでは、連絡やTRPGについて話し合うことにしかほとんど使っていなかったおかげか、Twitterのように露骨に嫌なヤツの言動をすることはなかった。ところが、決定的な決裂の瞬間はLINEで訪れることになる。

 

TRPGに熱中していたのは2年間ぐらいだ。大学3年から始めたので、社会人になった後には飽きていた。どうしようもなく飽きていた。しかしもうここまでで何回も進行役をこなし、途中のシナリオも抱えている状態である。「飽きたから俺TRPG今後はやらないわ」とも言えない状態だったし、TRPGをやめたら僕はサークルのみんなと一緒に過ごす意味がなくなると思っていた。大学の友だちは長い関係になることがあるという父から聞いたフレーズが思い出され、ここで一度手に入れた友だちを手放したくないという思いでいっぱいだった。

でも飽きてしまったものはしょうがない。消えた情熱は二度と戻ることはない。飽きてしまったことから、TRPGの集まりに対する参加確認の返事も、余計な一言が混ざるようになる。「気分が乗らないから行かない」とか「〇〇買うから行けない」とか「(イベント名)行くから行けない」とか、余計な一言を添えるようになったのだ。「ごめん、今回はいけそうにありません…」の一言でよかったのに、こういう棘をいちいち添えるようになってしまった。

 

こういったメッセージを何度かLineで送った後、とうとう今までのツケが回ってくることになる。

今回のTRPGの参加可否も「〇〇買うから行けない」で返事をした後、ある同期から「お前のその発言おかしいだろ」と怒りの返信が届いたのだ。「今この場で誤って、自分の言動を反省しろ」というようメッセージが続けて届く。きっと同期は、僕の今までのTwitter、LINEの言動にモヤモヤしていたのだろう。今思い返せば当然のことだ。しかし当時の僕は何でこうなったのか、なぜいきなり同期が怒ったのか分からなかった。それどころか、普段からお前らだって人のことや人の好きなことをボロカス言ってきてるくせに、何で俺だけを攻撃するんだよ、という憤りも覚えていた。

でもその時は相手を怒らせてしまったことへの恐怖の念が強かったので、ひとまずLINE上で謝った。しかし、僕の伝える力が足りなかったせいか、「その謝罪は違う」「個人ごとに謝ることがあるだろ」という厳しい返事が返ってきた。僕はそれに従い、今までで思い当たるその人へ行ってきた罪を個別にLineで送ることになる。

しかしこれでも解決ということにならなかった。起こった同期から「本当に悔い改めるなら、LINEだけで済ませないでね」と言われたのだ。SNS上の謝罪だけで済ませられるほど、事態は軽くなかったのだ。

 

このタイミングで、僕の感情は急速に冷え込む。

「なんでわざわざ実際に会って謝罪しないといけないんだ。そんなの、みんなからさらに責められて惨めな思いをするに決まっているじゃないか」

「実際に会って謝罪したって、しこりが完全に消えるわけがない。今までと同じ関係ではいられないだろう」

「それに、そもそもここまで追い詰められてまで、友人関係を続ける必要はないじゃないか。もうTRPGをやらないのなら、彼らと一緒にいる意味はない。社会人である今、逃げればもう会わなくて済む」

「人間は他にいくらでもいる。もしまた友達が欲しくなったら、またイチから作ればいい」

このような感情が胸を支配し、結局自分からTRPGグループを退会、サークルメンバーをブロックして友だちリストから完全に削除し、Lineで僕を検索できない設定に変更。Twitterもアカウントを閉鎖。自分から何もかも切り捨てて逃げだした。

サークルメンバーがちゃんと納得するかたちで謝ることなく逃げたということになるので、正真正銘の最低クズヤロ―に成り下がったわけだ。でも逃げ出したときの解放感は、正直に言って大きかった。なんでこんなことであれこれ悩んでいたんだろうとバカバカしくなってしまうくらいに。

 

こうして僕の友だちは0人となり、その後の人間関係の考え方も大きく変化する。

 

具体的には、もう人と深い関係を築くことを諦めるようになった。こういう人間関係の問題はすごく神経をすり減らすし、解決するより逃げ出してリセットする方が楽だということ覚えてしまった。きっとこれからも危なくなれば逃げると思う。

でも僕がこういう時に逃げだせば、相手はすごく煩悶とすると思う(逃げた当初はこのことすら頭に浮かばなかった)。だから最初から深い関係は作らないようにしている。もしもまた誰かと友人関係になってしまったら、僕はまたその人を傷つける。だったらお互い最初から仲良くしない方がいい。そう思うようになってから、僕は物言わぬ本を好きになり始めたのだ。

そしてSNSを忌避するようになった。SNSでは、普段の自分とは想像もつかないような醜い面が出てしまい、コントロール不能になってそれが人を傷つけることを、身をもって学んだ。このブログのTwitterアカウントですら現状作りたくないと思うくらいには参っている*1

 

以上のことから、僕は人と関係を正常に継続することが難しい人間なのだと自覚した。

そして相手を傷つけた際、プライドを捨ててちゃんを謝るという人間として大切なことができない人間なのだと悟った。

 

現在も友だちと呼べる人はひとりもいないが、仕事終わりや休日は本を読んで散歩して筋トレしてアニメ見てブログ書いて……と過ごしていれば、あっという間に一日が終わる。僕は人と一緒にいるよりも、独りでいる方が生きやすいのだと思う。

 

もう親友を作れる望みは薄いが、それは仕方のないことだ。

僕にとって正常な友人関係を保つことは、難しいのだから。

 

ここまで読み切った猛者の皆さんには、僕がこのような最低ヤロ―だということを覚えておいてくれると、うれしいです。

*1:理由はこれだけでなく、Twitter依存症になってしまったことも要因の1つ。詳細は僕はなぜスマホを使わないのか。 - ハナサケハートフルハーモニー!で書いた。