「人生リセットボタン」より「出生リセットボタン」が欲しかった
人生をリセットしても根本的解決にはならない。
人生をリセットしたいと思うほど人生を憂いているのなら、人生やり直したって不満タラでしょうよ。
そもそも、「人生リセットしてぇ……」ってよく思ってるような人間が人生リセットできたとしても、また人生リセットしたいって言ってるのが目に浮かぶ。
人生っていうのは逃げ場のない牢獄だ。
そんな地獄に誰が好きこのんで行くんだ。真正のマゾくらいだろう。
この地獄に行くのに決定権があるんだったらまだいい。自分の意志で飛び込むんだっていうんなら、それはそれでいい。
しかしそんなのもは存在しない。こうして自分が生きているとはっきりした自覚が生まれ、思考を巡らせることができて初めて、自分という存在が人生という途方もない舞台に放り込まれたんだと悟ることができる。
冗談じゃない。ちゃんとセックスで精子を放出した後、卵子と精子で議論が行われないからこうなるんだよ。「今回我々から誕生する人間は、人生に耐えうるほどの逸材たりえるか?」って毎回議論してくれるような思考能力と場を人間の精子・卵子に搭載すべきだったよ神様。
「あ、今回は遺伝配分的にヤバそうだから受精ナシナシ!」とかやってくれれば、今の自分みたいに人生を呪う存在を事前に間引きできるだろうに。
人間の出生プロセス内に、精子・卵子段階での出生リセット機構を早急に備えるべきであります。
精子・卵子に人間と同等レベルの思考・分析能力を備えるべきではないでしょうか。
……人間じゃなくて、草木とか雲とか空気に生まれたかったよ。