ハナサケハートフルハーモニー!

この文の後ろに花畑がある、ということにしておいてください。

【アニメ感想】『ガールズ&パンツァー 最終章 第1話』もう少しうまい物語にできなかったのかと思うも、ガルパンという素材が優秀なので問題なくガルパンおじさんになりました。

 

 

 先に最終章第1話の感想をまとめると、「なんでこんな物語にしたのか疑問だけど、ガルパンという素材が優秀なので楽しく見れた」。

まずは、今までのガルパンの感想を簡単に書いておく。ガルパンは最近知ったのでアマゾンプライムビデオで視聴している。そのため、最終章第2章は視聴していない。

 

TV版:最初はとんでもなく適当な設定に面食らうも、戦車同士の戦いに痺れ、各キャラクターや戦車自体をかわいいと思い、黒森峰戦で手に汗を握り、物語が終わる頃にはすっかりこの作品の虜になる。

アンチョビOVAアンツィオ高校すき。カルロベローチェかわいくてすき。カエサルとひなちゃんのバトル熱くてすき。このように童心に帰るくらい好きだった。ガルパン作品で今のところ一番すき。

vs大学選抜:また廃校問題持ち出すのかよとモヨモヨしたが、今まで戦ってきた敵が全員味方になって強敵に挑むという胸熱展開、30両対30両の大規模戦闘で全てがどうでもよくなった。ただただ食いついて見入っていた。

要は一言、「ガルパン最高!」になっていたわけだ。なのでこれらの作品を個別に記事で書くには及ばない。しかたないね。

 

このような高揚感を得た状態で最終章第1章を視聴したわけだが、どうしても引っかかることが2つある。

 

①:話の展開がTV版と同じ

BC自由学園のデータがないから秋山殿に偵察に向かわせるのは分かる。車両数が絶対敵より下回ってしまうので、新しい戦車を探す。これもいい。そして試合に出場し、最初はピンチになってそこから打開する。これも別に問題じゃない。

……問題じゃないんだが、これってTV版で既にやっていることなのだ。正直、「またこの流れ?」と思ってしまった。同じような話の内容を劇場版で公開する意味って何なのだろう。コンテンツの延命措置なのだろうか。別に延命措置をとるのならそれはそれでいいけど、せっかく劇場版で作るならもっと違った展開で見たかったというのが僕の本心だ。例えば、試合はフラッグ戦や殲滅戦以外のルールでやるとか。

あと、このような展開の作品を公開するなら、vs大学選抜より前にしてほしかった。最終章って、要はまた高校内の国内全国大会を繰り返しているだけだ。vs大学選抜っていう明らかに相手の強さが違い、集う味方の量・質共に高い戦いの後にスケールダウンされた戦いを見ても、イマイチ盛り上がりに欠けてしまう。コントラスト効果みたいなものがかかってしまうのだ。最終章をvs大学選抜の前に公開していれば、マンネリ感は感じてもこのような感情を抱くことはなかったし、BC自由学園やら他の新しい高校をvs大学選抜で味方側で活躍させることができたはずだ。

 

②これはみほの物語なのか?桃ちゃんの物語なのか?

今回は、桃ちゃんの留年を防ぐために、桃ちゃんを隊長にして無限軌道杯で優勝し、AO入試の推薦材料を作ろう、という大きなテーマがある(そもそもこのテーマがアホらしすぎて違和感を感じるという意見もあるが、僕はこれはそこまで大きな問題じゃないと考えている。ガルパンは元々の世界設定からして「アホらしい」のだから、今回のようなアホらしい課題が出たって何も不思議はない)。なので桃ちゃんが大洗チームを指揮し、迷いながらも成長していくのか……と思ったのだが、そんなことをしたら優勝なんてできないという総意で、従来通りみほが作戦の最終決定を担っている。桃ちゃん自身は隊長としての自覚を持ちはじめ、今まで以上に作戦内容を積極的に考えるようになった。でも結局はエルヴィンが言ったように、桃ちゃんは傀儡隊長になってしまった感が否めない。

こんな状態だから、みほと桃ちゃんどっちを物語の中心にしたいのかが分からなかった。従来通りみほが引っ張っていく作品にしたいのなら、桃ちゃんの留年というテーマ以外にもっといいものがあっただろうし、桃ちゃんを主役に置きたいのなら、思い切って桃ちゃんがすべてを仕切る作品にしてほしかった。最終章じゃなくて、桃ちゃん外伝にしてほしかった(こっちが本音)。

みほに助言を求めつつも、最後は桃ちゃんが迷って判断して、チームを指揮するところが見たかったんだ……

それとも、第2章になれば桃ちゃんがちゃんと指揮をとり始めるんですか?期待していいんですか?

 

こんな感じで文句をつけたいところがあったわけだけれども、それでもトータルで考えれば楽しく見ることができた。

ガルパンは、戦車道同士の迫力ある戦いや、魅力あふれるキャラ同士の掛け合い、ぶっ飛んでいながら男のロマンあふれる世界設定と、基本的なところが優秀なのでここで挙げてきた疑問があっても十分にエキサイティングできた。それだけガルパンという作品が優秀だったんだとひしひしと感じた。

サメさんチームのみんなも、みんなひとりひとりクセがあって個性的だ。マークⅣも、見た目のインパクトがすごくて興奮を覚えた。TV版と展開同じだよねとか言いつつ、やっぱりピンチになれば「おいおい、ここからどうするんだよ!」と心配になり、みほが機転を利かせて突破すれば「さすが西住殿です!」と喝采する。

 

ここまでグチグチと長い文句を垂れたけど、劇場版第1話は問題なく楽しめる作品だと僕は言いたい。みんなも是非TV版、アンチョビOVA、初代劇場版(vs大学選抜)と一気に駆け抜けた後に、この作品を観よう。

 

ガルパン最高!