ハナサケハートフルハーモニー!

この文の後ろに花畑がある、ということにしておいてください。

Kindleで「読書」するのは難しい

Kindleのうまい使い方がよく分からない。

 

3年前、僕はKindleを購入した。購入の目的は、買うたびにかさばり、処分がおっくうになる紙の本とオサラバできる可能性に惹かれたことがひとつ。もうひとつは、外出先で本を読む際、Kindleひとつあればそこから好きな本を選ぶことができるという、本を複数冊持っていかなくてもいいというところに魅力を感じたのが理由だ。

 

購入して最初の時期は、Kindleで本やマンガを読むようにした。欲しい本をダウンロード。購入すれば即ダウンロードですぐ読める。このスピード感は素晴らしかった。そして副次的な恩恵として(むしろこっちが本命?)、えっちい本やマンガも気兼ねなくダウンロードできるのだ!おかげ様で、普通の本やマンガよりえっちい本の方が多くなったものだ。仕方ない。男子だもん。

Kindleの普通の本に話を戻すと、最初はタブレット端末でタッチして読み進めるのに違和感を感じたが、気になったところをなぞってマーカーを入れたり、気になる単語をすぐネット検索したりできるのが便利で、「こりゃあ紙の本はいらないな」と思っていた。

ところが、しばらくして気づく。Kindleで「読書」するのは至難の業だと。

まず、気になる単語を検索して意味を確認するのはいいんだが、そこからまた別のリンクに飛んで行ってしまい、しまいには全然関係ないページを見ることが多くなった。ひどい時は、1ページを読むのにかかった時間より、ブラウジングにかけた時間の方が何倍も長くなったりした。これではスマホをいじっているのと変わらないじゃないか。

 

それ以降、単語の検索ができないようにオフライン環境でKindleを使うようにした。これで万事解決……かと思いきや、そういうわけにもいかなかった。

 

読み終わって2~3日後かに本の内容を思い出してみようとすると、何故かほとんど内容が思い出せない。紙で本を読み終わった際、後日思い出すと全内容の5割前後は思い出せるのに*1Kindleだと大体2~3割程度に落ちてしまう。

ここで気づいたのは、文書を読む際は紙に触れる、ページをぺらりとめくることが意外と重要なのかもしれないということだ。日本人が紙の本を読み始めたのは、少なくとも江戸時代から始まったと聞く(間違っていたらコメントください)。ということは、約400年間という歳月をかけて、僕たちは紙の本に親しんできたわけだ。ここまで歴史が長ければ、人間の普遍の習慣としてDNAに刻み込まれるのに十分だろう。

 

それに対して電子書籍はどうだろう。Kindleが普及しはじめたのは、多分第五世代のKindle Paperwhiteが発売したあたりだったと思う。これが2012年。日本でスマホが本格的に普及しはじめたのは、大体2010年前後と仮定しよう。そうすると、端末で字を読むという行為の歴史はまだ10年足らず。Kindleが悪いのではなく、僕たちがまだKindleに慣れていないと言えそうだが……そもそも端末上で「読書」をすることは難しんじゃないかと僕は疑問に思う。

その理由は、パソコンでネットページを見る際に、僕たちはほとんどまともに文章を読まないからだ。せいぜいよくてナナメ読みや、文の塊を数秒目に捉えたらガッツリスクロールを下げ、また文の塊を数秒眺め……という読み方ばかりする。そもそも読むことを目的としてなくて、ある一文を探すことができたらそれでブラウザバック、なんてことも多い。律儀に記事をイチから全部読む人なんて、果たして何人いるのだろう。

パソコンがいつ日本で普及したのかも意見が分かれると思うが、ここでは仮にWindows95が登場した時期、つまり1995年としておこう。そうすると、2019年現在までの24年間で、僕たちはこういう読み方を会得した。

Kindleとパソコンは、デバイスのかたちが大きく異なる。でもパソコンでもスマホでもタブレットでも、僕たちはおかまいなしにナナメ読みや、特定の分だけ探すという読み方をする。Kindleも、画面の表示こそ本の体裁を整えているけれども、電子端末であることが、最初のページから終わりのページまで読みきる読書をしづらくしている気がする*2

 

こうしてKindleの違和感を長々と書いたわけだけれども、僕がKindle  Paperwhiteを何万円かで買った事実は残り続ける。諭吉を2~3人犠牲にした以上、死蔵させるわけにはいかない……!*3

ということで、以上の考察も踏まえた結果、僕なりの暫定的なKindleの使い方をここにまとめておく。僕みたいにKindleを持て余してる方の参考になればうれしい。

 

1:マンガを買うときに使う

マンガは巻数が多くなりがちで、部屋のスペースを占有しがち。Kindleなら端末1つに全巻収録できるので、メリットが大きい。特にワンピースやNARUTOみたいな巻数モンスターには超有効。マンガなら単語検索できないので予期せぬブラウジングを防止できる。内容が頭に入りづらくてもマンガは読み返しがしやすいのであんまり問題ない。

 

2:これ以上物理的に本が置けない(置きたくない)時に使う

スペース的に致し方ない時、本を処分できない際の策として使う。結婚していて嫁さんが「こんなに本いらないだろ!ウガー!」となってしまう時の対策として使うなど、後ろ向きな理由で使う。

 

3:えっちい本を読むために使う

実家暮らし、パートナーと暮らしている人のえっちい本どこに保管するか事情の救世主になりえる。すばらしい!見た目がKindleだからばれない!ただし操作されると普通にばれるので、ロックの設定は忘れずに。

 

4:何回も読み返している本を読むために使う

何回も読むから、取り回しがききやすいKindleにもダウンロードしておく、というのもアリかもしれない。

 

 みなさんは、どのようにKindleを使っていますか?

 

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ネット・バカ インターネットがわたしたちの脳にしていること

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それでも、読書をやめない理由

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*1:この数字は、200~300ページ程度の単行本を想定している。専門書や難しい本だと、これが2割前後に落ちる。

*2:Kindle等での読書のしづらさ、違和感については、ニコラス・G・カー『ネット・バカ インターネットがわたしたちの脳にしていること』青土社 デヴィッド・L. ユーリン『それでも、読書をやめない理由』柏書房 でも触れられている。

*3:悲しいかなこの記事を書いた現在、Kindleは電池切れで机の引き出しの中、仮死状態で安置されている。